「注文の多い料理店」に収録されている宮沢賢治の児童文学作品に「どんぐりと山猫」という話があります。山猫から主人公に一通の手紙が届くところから物語がはじまり、自然の中で色んな生き物たちと出会いながら山猫を探す話です。
対馬にはツシマヤマネコという野生の山猫がいて、まるでこの本のような世界観。博多港発の深夜フェリーに揺られて、山猫を探す島旅キャンプの始まりです。
入江の横にテントを張って
比田勝港から対馬のほぼ中心まで行くと今回のベースキャンプに選んだ、あそうベイパークキャンプ場があります。名前の通り浅茅(あそう)湾に面しており、自然豊かな海と山が徒歩圏内です。リアス式海岸に囲まれた美しい湾で、対馬の主要な観光地の一つ。この浅茅湾を目的に訪れる人も多いのだとか。管理棟はキャンプ場の中央にあり、雰囲気のあるロッジスタイル。中にはトイレと温水のシャワーが完備されています。
広々と使いやすそうな板張りのサイトは12基あります。それぞれにかまどがついているので薪などで火を起こすことも可能。各サイトにはコンセントがついており、無料で電気が使えるのもありがたい。
ツシマヤマネコを探しに行こう
さあ、キャンプ場を拠点に対馬を巡る島旅のはじまりです。ツシマヤマネコは地元の人でもなかなかお目にかかれないとか。運よく会えるといいなぁ。
対州馬と出会いました。ツシマヤマネコ同様に絶滅が危惧されている日本在来種の馬。かつては険しい山道の多い島の生活に欠かせない存在でしたが、車や機械の導入により数が激減しました。現在は保存や活用に取り組んでいるそうです。山登る馬なんて素敵!
見晴らしのいい烏帽子岳展望所にやってきました。360度の展望が見渡せます。小さな島がぷかぷかと海に浮かんでいるみたい。天候のいい日は韓国の釜山もみえます。朝鮮半島に近いことから、「国境の島」とも言われた対馬。大陸文化の窓口でもあります。
野生のツシマヤマネコに会えると対馬にやってましたが、結局、会えずじまい。それは、生息環境の変化や交通事故などで数が減少し、絶滅の危機に瀕しているからだそうです。

実は、人の暮らしと密接につながっていたのがツシマヤマネコ。数が減っているのは、ネズミや野鳥などの食物が減ったことだといわれ、それは人が耕作をやめたり、田んぼに薬を使い出したのと関係しているのだとか。現在はNPO法人ツシマヤマネコを守る会や地元の方などを中心に、餌場となる昔ながらの田んぼを作ったり、保護区を整備するなどの活動が行われています。
私たちの暮らしは自然の一部。
人と自然が寄り添い一体となった対馬の魅力。
そんな山猫からの手紙を受け取った気がしました。
対馬は大きな島なので、1日では巡り切れません。真ん中にある、あそうベイパークを拠点にすると南北に長い島をめぐるには良いですね。
あそうベイパークキャンプ場
〒817-1105 長崎県対馬市美津島町大山584-1
TEL 0920-54-4994
利用料金(2021年現在)
| 宿泊(1人) | 宿泊(1区画) | 2000円 |
| テント料金 | 貸テント(6人用) | 4,700円(サイト料込) |
| 貸高規格テント(6人用) | 6,200円(サイト料込) | |
| 期間 | 通年営業 |
| 時間 | 9:00-18:00(7月から9月は9:00-19:00) |
楽しく過ごすためのテン場情報 ・あそうベイパークは様々なレジャー施設が併設された総合公園。キャンプはもちろん、フィールドアスレチックやシーカヤック体験、ふれあい牧場などの施設が充実している(概要リンク参照)。 ・レンタル可能用品や販売品多数あり ・所定の場所以外では火気厳禁。 ・区画ごとにコンセントが付いており、無料で利用可能。 ・ゴミはすべて持ち帰る。 ・温水シャワー無料。 参考 あそうベイパーク ツシマヤマネコについて「対馬野生生物保護センター」
